学研全訳古語辞典 |
を・り 【居り】
{語幹〈を〉}
①
座っている。腰をおろしている。
出典万葉集 九〇四
「立てれどもをれどもともに戯(たはぶ)れ」
[訳] (わが子は)立っていても座っていても(親と)一緒に遊び興じ。
②
いる。存在する。
出典万葉集 三三八〇
「埼玉(さきたま)の津(つ)にをる舟の」
[訳] 埼玉の船着き場にある舟が。
活用{ら/り/り/る/れ/れ}
〔動詞の連用形に付いて〕…し続ける。…している。
出典伊勢物語 四五
「つれづれとこもりをりけり」
[訳] (喪中のため)しみじみとものさびしく引きこもっていた。
をり 【折】
①
その時。その場合。
出典枕草子 にくきもの
「急ぐことあるをりに来て長言(ながごと)するまらうと」
[訳] 急用がある時にやって来て、長話をする客(はしゃくにさわる)。
②
季節。
出典更級日記 梅の立枝
「これが花の咲かむをりは来(こ)むよ」
[訳] この(梅の)花の咲くであろう季節には来ようと思うよ。
折たく柴の記
分類書名
伝記。新井白石(はくせき)作。江戸時代中期(一七一六以後)成立。三巻。〔内容〕祖父母や両親のことから、将軍家宣(いえのぶ)の補佐としての政治上の業績や、退職するまでを回顧して、平易な和漢混交文でつづった自叙伝(じじよでん)。
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