学研全訳古語辞典 |
あり-あけ 【有り明け】
①
まだ月が空に残っているうちに夜が明けること。そのころの夜明け。▽陰暦で十六日以後、特に二十日過ぎについていうことが多い。
出典新古今集 冬
「志賀の浦や遠ざかりゆく波間より凍(こほ)りて出(い)づるありあけの月」
[訳] ⇒しがのうらや…。
②
夜が明けてもまだ空に残っている月。[季語] 秋。
出典古今集 恋三
「ありあけのつれなく見えし別れより暁(あかつき)ばかり憂(う)きものはなし」
[訳] ⇒ありあけの…。
③
「有り明け行灯(あんど)」の略。
参考
月が空に残ったまま夜が明けることをいうが、特に二十日余りの月が代表的で、男女の朝の別れの情景に取り上げられることが多い。
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