学研全訳古語辞典 |
-きだ 【段・常】
①
切りわけた断片を数える語。
出典日本書紀 神代上
「軻遇突智(かぐつち)を斬(き)りて三きだに為す」
[訳] (火の神)軻遇突智をきり分けて三つに分断した。
②
「たん①
③
」に同じ。◆上代語。
-たん 【段・反】
①
田畑の面積の単位を表す。一段は三百六十歩(ぶ)(=約一二アール)、のち、三百歩(=約一〇アール)。
②
距離の単位を表す。一段は六間(けん)(=約一一メートル)。
出典平家物語 一一・那須与一
「海へ一たんばかり打ち入(い)れたれども」
[訳] 海へ一たんくらい(馬を)勢いよく乗り入れたのだが。
③
布を数える単位を表す。時代や布の種類によって変動はあるが、ふつう、成人の着物一着分に必要な布地が一反。◇「端」とも書く。
だん 【段】
①
階段。また、その一つ一つ。段。
②
等級。格。
③
語り物や文章の一区切り。段落。
④
事柄。条項。件。
⑤
場合。事態。とき。
⑥
〔「…だんではない」「…だんか」の形で〕…程度。…どころ。…場合。
出典曾根崎心中 浄瑠・近松
「はて軽口のだんかいの」
[訳] はて冗談を言っている場合かいな。◆④⑤⑥は形式名詞として用いる。
段のページへのリンク |