学研全訳古語辞典 |
あはひ 【間】
①
(物と物との)あいだ。すきま。
出典伊勢物語 七
「伊勢(いせ)・尾張(をはり)のあはひの海づらを行くに」
[訳] 伊勢の国(三重県)と尾張の国(愛知県の一部)のあいだの海岸を行く時に。
②
仲。間柄。
出典源氏物語 宿木
「いとよきあはひなればかたみにぞ思ひかはすらむ」
[訳] (二人は)とてもよい仲なので、互いに思い合っていることであろう。
③
組み合わせ。つりあい。色の調和。
出典源氏物語 浮舟
「濃き衣(きぬ)に紅梅の織物など、あはひをかしく着替へて居給(たま)へり」
[訳] (浮舟は)濃い紫の単衣(ひとえ)の上に紅梅襲(こうばいがさね)の織物など、つりあいも面白く着替えて座っていらっしゃる。
④
情勢。形勢。
出典平家物語 一一・逆櫓
「あはひ悪(あ)しければ、引くは常の習ひなり」
[訳] 形勢が悪いので、引き上げるのが普通のやり方だ。
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