学研全訳古語辞典 |
あらあら-・し 【粗粗し】
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
①
ひどく粗雑だ。
出典源氏物語 浮舟
「さすがにあらあらしくて隙(ひま)ありけるを」
[訳] やはりひどく粗雑であって透き間があったのを。
②
いかにも粗末だ。
出典徒然草 二八
「布の帽額(もかう)あらあらしく」
[訳] 布製の帽額(=御簾(みす)の上部に横長に引く幕)はいかにも粗末で。
あらあら-・し 【荒荒し】
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
①
激しい。乱暴だ。
出典源氏物語 夕顔
「風のややあらあらしう吹きたるは」
[訳] 風がだんだんと激しく吹いているのは。◇「あらあらしう」はウ音便。
②
粗野だ。武骨だ。
出典徒然草 一四一
「この聖(ひじり)、声うちゆがみあらあらしくて」
[訳] (東国出身の)この僧は、発音がなまって(もの言いも)粗野であって。
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