学研全訳古語辞典 |
いへ 【家】
①
住居。住まい。
出典方丈記
「昔ありしいへはまれなり」
[訳] (今ある家で)昔からあった住居はめったにない。
②
自宅。我が家。
出典万葉集 一四二
「いへにあれば笥(け)に盛る飯(いひ)を」
[訳] ⇒いへにあれば…。
③
一族。一家。家族。妻。
出典平家物語 九・宇治川先陣
「木曾(きそ)殿のいへの子に、長瀬判官代重綱(しげつな)」
[訳] 木曾殿の一族の家来で、長瀬判官代重綱(と申す)。
④
家柄。血筋。名門。
出典平家物語 九・敦盛最期
「武芸のいへに生まれずは、何とてかかる憂き目をば見るべき」
[訳] 武士の家柄に生まれなかったならば、どうしてこんなつらい目にあっただろうか。
参考
「いへ」と「や(屋)」の違い 「や」が建物自体をさすのに対し、「いへ」は人の生活のよりどころとする場所をさす。
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