学研全訳古語辞典 |
おの-づから 【自ら】
①
自然に。いつのまにか。
出典徒然草 五六
「一人に向きて言ふを、おのづから人も聞くにこそあれ」
[訳] 一人に向かって言うのを、自然にほかの人も聞くのである。
②
偶然に。たまたま。まれに。
出典枕草子 はしたなきもの
「おのづから人の上などうち言ひそしりたるに」
[訳] たまたま他人の話などをして、けなしていたのを。
③
〔下に仮定表現を伴って〕もしも。万一。ひょっとして。
出典平家物語 一・祇王
「おのづから後まで忘れぬ御事ならば」
[訳] もしも(この私を)後々まで忘れないお考えならば。
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