学研全訳古語辞典 |
きみがゆく…
分類和歌
「君が行く道の長手(ながて)を繰り畳(たた)ね焼き滅ぼさむ天(あめ)の火もがも」
出典万葉集 三七二四・狭野弟上娘子(さののおとがみのをとめ)
[訳] あなたが流されて行く長い道のりを手繰り寄せてたたんでしまい、それを焼き滅ぼしてしまえるような天の火があるといいのになあ。
鑑賞
狭野弟上娘子と、中臣宅守(なかとみのやかもり)との贈答歌の中の一首。恋人である宅守が罪を得て越前(えちぜん)の国へ配流されるときに、別れを惜しんで詠んだ歌である。「もがも」は、終助詞の「もが」と「も」が一つに合わさったもので、願望の意を表す上代語。「…あればいいなあ」「…といいなあ」などと訳す。
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