学研全訳古語辞典 |
きみがため…
分類和歌
「君がため手力(たぢから)疲れ織りたる衣(きぬ)ぞ春さらばいかなる色に摺(す)りてば好(よ)けむ」
出典万葉集 一二八一・よみ人知らず
[訳] あなたのために手も疲れるほど力を尽くして織った着物です。春になったならば、どんな色に摺って染めたらよいでしょうか。
鑑賞
『柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)歌集』に載る旋頭歌(せどうか)で、本来の形式の問答体をとっており、庶民階級の女性の作と思われる。
きみがため…
分類和歌
出典百人一首
「君がため春の野に出(い)でて若菜摘むわが衣手(ころもで)に雪は降りつつ」
出典古今集 春上・光孝天皇(くわうかうてんわう)
[訳] あなたのために春の野に出て若菜を摘む私の袖(そで)に、雪がしきりに降りかかることだ。
きみがため…
分類和歌
出典百人一首
「君がため惜(を)しからざりし命さへ長くもがなと思ひけるかな」
出典後拾遺集 恋二・藤原義孝(ふぢはらのよしたか)
[訳] あなたに逢(あ)うためには惜しくなかった命でさえも、(逢うことができた今では)長くあってほしいと思うようになったよ。
鑑賞
恋がいつまでも続くようにと願う歌。
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