学研全訳古語辞典 |
さら-ず 【去らず】
分類連語
離れないで。放さないで。
出典源氏物語 桐壺
「あながちに、御前(おまへ)さらずもてなさせ給(たま)ひしほどに」
[訳] (桐壺更衣(きりつぼのこうい)を)無理やりおそばから放さないで(帝(みかど)が)お扱いになっていらっしゃるうちに。
なりたち
動詞「さ(去)る」の未然形+打消の助動詞「ず」の連用形
さら-・ず 【然らず】
分類連語
そうではない。
出典新古今集 釈教
「さらずとていく世もあらじいざやさは法(のり)にかへつる命と思はむ」
[訳] そうではないといって幾世も生きてはいないだろう。さあ、それならば仏法と引きかえにした命と思うことにしよう。
なりたち
ラ変動詞「さり」の未然形+打消の助動詞「ず」
さら-ず 【避らず】
分類連語
避けることができないで。やむを得ず。
出典竹取物語 かぐや姫の昇天
「さらずまかりぬべければ」
[訳] やむを得ず(月の世界へ)行ってしまわなければならないので。
なりたち
動詞「さ(避)る」の未然形+打消の助動詞「ず」の連用形
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