学研全訳古語辞典 |
さる-べき 【然るべき】
分類連語
①
そうなるはずの。そうなるのが当然な。そうなる運命の。
出典源氏物語 桐壺
「さるべき契りこそはおはしましけめ」
[訳] (桐壺(きりつぼ)帝には桐壺の更衣との間に、早く死別するという)そうなるはずの前世からの約束がおありになったのだろう。
②
しかるべき。適当な。それにふさわしい。相応な。
出典源氏物語 夕顔
「娘をば、さるべき人に預けて」
[訳] 娘をしかるべき人に預けて(=ふさわしい男と結婚させて)。
③
相当な。立派な。優れた。れっきとした。
出典枕草子 すさまじきもの
「さるべき人の宮仕へするがりやりて、恥づかしと思ひゐたるも、いとあいなし」
[訳] (身分も)相当な女で、宮仕えをしている人のところに(自分の婿を)取られて、気恥ずかしく思っているのも、まことにおもしろくない。
なりたち
ラ変動詞「さり」の連体形+推量(当然)の助動詞「べし」の連体形
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