学研全訳古語辞典 |
なでしこ 【撫子・瞿麦】
①
「秋の七草」の一つ。唐撫子(からなでしこ)(=石竹(せきちく))を含めていうこともあるが、一般には河原撫子(かわらなでしこ)(=大和撫子)をさす。[季語] 秋。
出典奥の細道 那須
「かさねとは八重(やへ)なでしこの名なるべし―曾良」
[訳] ⇒かさねとは…。
②
「撫子襲(がさね)」の略。襲(かさね)の色目の一つ。青・赤の二系統があり、青系統は表が薄紫色で裏が青または紅梅、赤系統は表が紅梅で裏が赤または青。共に夏に用いる。
③
かわいがっている子。愛児。▽「撫(な)でし子(=なでるようにしてかわいがる子)」の意を①にかけて。
出典源氏物語 夕顔
「かのなでしこの生ひ立つありさま、聞かせまほしけれど」
[訳] あの愛児が成長していくようすを、(その子の父である頭中将に)聞かせたいけれども。
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