学研全訳古語辞典 |
はや・る 【流行る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
時めく。時流に乗って栄える。
出典大鏡 兼家
「堀河摂政のはやり給(たま)ひし時に」
[訳] 堀河の摂政(=藤原兼通(ふじわらのかねみち))が時流に乗って栄えていらっしゃったときに。
②
流行する。はびこる。世の中に広がる。
出典古今著聞集 一一七
「疫病(やくびやう)はやりたりけるに」
[訳] 悪性の伝染病が流行していたときに。
はや・る 【逸る・早る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
興に乗る。夢中になる。
出典落窪物語 一
「化粧(けさう)はやりたりとは見ゆや」
[訳] 化粧に夢中になっていると見えるよ。
②
勇み立つ。勢いづく。
出典大鏡 頼忠
「いみじうはやる馬にて」
[訳] たいそう勇み立つ馬で。
③
あせる。いらだつ。
出典源氏物語 常夏
「この人も、はた、気色(けしき)はやれる」
[訳] この人も、またようすがいらだっている。
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