学研全訳古語辞典 |
はればれ-・し 【晴れ晴れし】
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
①
よく晴れている。
出典枕草子 成信の中将は
「今朝まではればれしかりつる空とも覚えず」
[訳] 今朝までよく晴れわたっていた空とも思われない。
②
心が晴れやかである。
出典源氏物語 手習
「この本意(ほい)の事し給(たま)ひてのちよりは、少しはればれしくなりて」
[訳] この本来の望み(=出家)の事をなしとげなさってからは、少し心も晴れやかになって。
③
公的だ。晴れがましい。
出典大鏡 基経
「さるべき事の折、はればれしき料(れう)にせさせ給(たま)ふ」
[訳] しかるべき行事の折、公的な御用に使うことになされる。
④
はばかるところがない。大っぴらである。
出典源氏物語 椎本
「御心もてはればれしくもて出(い)でさせ給(たま)はばこそ」
[訳] ご自分の心から大っぴらにお出になられたならば。
⑤
広々として明るい。
出典源氏物語 東屋
「この有り様は、いとはればれし」
[訳] この(屋敷の)ようすは、たいそう広々として明るい。
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