学研全訳古語辞典 |
ば-こそ
分類連語
(一)
〔活用語の未然形に付いて〕
①
〔文中に用いて〕…ならばきっと。▽順接の仮定条件を強調する。
出典竹取物語 御門の求婚
「この国に生まれて侍(はべ)らばこそ、使ひ給(たま)はめ」
[訳] この国に生まれましたならばきっと、召し使いなさることもできましょうけれど。
②
〔文末に用いて〕…はずがない。…ものか。▽ある事態を仮定し、それを強く否定する。
出典平家物語 七・一門都落
「今は世の世にてもあらばこそ」
[訳] 今は(自分たちが栄えていた)世であるならとにかく、そのような世ではあろうはずがない。◇中世以降の用法。
(二)
〔活用語の已然形に付いて〕…からこそ。▽順接の確定条件を強調する。
出典伊勢物語 八二
「散ればこそいとど桜はめでたけれうき世に何か久しかるべき」
[訳] ⇒ちればこそ…。
語法
文中に用いられる場合、文末の活用語は係助詞「こそ」を受けて已然形となる。
なりたち
接続助詞「ば」+係助詞「こそ」
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