学研全訳古語辞典 |
ものゆゑ-に
《接続》活用語の連体形に付く。
①
〔逆接の確定条件〕…のに。…けれども。
出典古今集 春下
「待つ人も来ぬものゆゑにうぐひすの鳴きつる花を折りてけるかな」
[訳] 待っていた人も来ないのに、うぐいすが折ってくれるなと鳴いて惜しんでいた花の枝を(その人をもてなすために)折ってしまったことよ。
②
〔順接の確定条件〕…ので。…だから。
出典平家物語 一・祇王
「参らざるものゆゑに、何と御返事を申すべしとも覚えず」
[訳] 参上しないつもりだから、何とお返事を申してよいのかわからない。◆接続助詞「ものゆゑ」に格助詞「に」が付いて一語化したもの。
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