学研全訳古語辞典 |
よ-よ(と)
①
おいおい(と)。▽しゃくり上げて泣くようす。
出典大和物語 一四八
「かなしきこと物に似ず、よよとぞ泣きける」
[訳] 悲しいことはなみなみでなく、おいおいと泣いた。
②
たらたら(と)。だらだら(と)。▽しずくやよだれなどがしたたり落ちるようす。
出典源氏物語 横笛
「雫(しづく)もよよと食ひぬらし給(たま)へば」
[訳] よだれをだらだらと(たらして、たけのこを)食いぬらしなさるので。
③
ぐいぐい(と)。ごくごく(と)。がぶがぶ(と)。▽水・酒・汁などを勢いよく飲むようす。
出典徒然草 八七
「酒を出(い)だしたれば、さしうけ、さしうけ、よよと飲みぬ」
[訳] 酒を出したら、(杯に)受けては受けては、ぐいぐいと飲んだ。
よ-よ 【世世・代代】
①
多くの世代。長い年月。
出典方丈記
「高き、いやしき、人の住まひは、よよを経て尽きせぬものなれど」
[訳] 身分の高い人や、低い人の住居は長い年月を経ても尽きないものだが。
②
その時、その時。
出典蜻蛉日記 下
「急ぎ見えしよよもありしものを」
[訳] 急いで見えたその時、その時もあったのに。
③
別々に過ごす世。それぞれの世。特に、男女が別れて別々に送る世をいう。
出典伊勢物語 二一
「おのがよよになりければ、疎くなりにけり」
[訳] それぞれが別れて別々に送る世になったので、疎遠になってしまった。
④
過去・現在・未来のそれぞれの世。◇仏教語。
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