学研全訳古語辞典 |
す・む 【澄む・清む】
活用{ま/み/む/む/め/め}
①
澄む。
出典徒然草 一九
「すさまじきものにして見る人もなき月の、寒けくすめる二十日あまりの空こそ、心細きものなれ」
[訳] 殺風景なものとして見る人もない(冬の)月が、寒そうに澄んでいる(陰暦十二月の)二十日過ぎの空は心細いものである。
②
清らかになる。落ち着く。
出典源氏物語 帚木
「思ひ立つほどは、いと心すめるやうにて」
[訳] (出家を)思い立つときは、とても心が清らかになったようで。
③
洗練される。あか抜けしている。
出典源氏物語 梅枝
「いといたう筆すみたる気色(けしき)ありて」
[訳] 本当にたいそう筆法があか抜けしている感じがあって。
④
とりすます。
出典更級日記 初瀬
「うそぶいて見回し、いといみじうすみたるさまなり」
[訳] (船頭たちは)そらとぼけて辺りを見回し、たいそうひどくとりすましたようすである。
⑤
清音である。
出典徒然草 一六〇
「『行法(ぎやうぼふ)』も、『法』の字をすみて言ふ、わろし」
[訳] 「行法」という言葉も、「法」の字を清音で発音するのはよくない。
澄むのページへのリンク |