学研全訳古語辞典 |
うまさけ…
分類和歌
「味酒(=枕詞(まくらことば))三輪(みわ)の山あをによし(=枕詞)奈良(なら)の山の山の際(ま)にい隠るまで道の隈(くま)い積もるまでにつばらにも見つつ行かむをしばしばも見放(みさ)けむ山を心なく雲の隠さふべしや」
出典万葉集 一七・額田王(ぬかたのおほきみ)
[訳] 三輪山が奈良の山の山の向こうに隠れるまで、道の曲がり角が幾重にも重なるまで、ずっと見続けながら行きたいのに、幾度も望み見たい山なのに、無情にも雲が隠してよいものか。
鑑賞
額田王が、遷都したばかりの近江(おうみ)の国(滋賀県)へ下ったときに詠んだ歌。
うま-さけ 【味酒・旨酒】
味のよい上等な酒。うまい酒。
うま-さけ 【味酒・旨酒】
分類枕詞
味のよい上等な酒を「神酒(みわ)(=神にささげる酒)」にすることから、「神酒(みわ)」と同音の地名「三輪(みわ)」に、また、「三輪山」のある地名「三室(みむろ)」「三諸(みもろ)」などにかかる。「うまさけ三輪の山」
参考
枕詞としては「うまさけの」「うまさけを」の形でも用いる。
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