学研全訳古語辞典 |
しり-ぞ・く 【退く】
活用{か/き/く/く/け/け}
①
引き下がる。後ろへ下がる。
出典日本書紀 孝徳
「座(しきゐ)を避(さ)りてしりぞきて」
[訳] 座るための敷物をよけて引き下がって。
②
退出する。
出典古今著聞集 二五九
「舞ひてしりぞき入(い)りければ」
[訳] 舞ってすっかり退出したので。
③
引退する。身を引く。
出典徒然草 一三四
「拙(つたな)きを知らば、なんぞやがてしりぞかざる」
[訳] 巧みでないことを知ったなら、どうしてすぐに引退しないのか。
活用{け/け/く/くる/くれ/けよ}
①
引き下がらせる。
出典平家物語 五・福原院宣
「朝家の怨敵(をんでき)をしりぞけよ」
[訳] 朝廷の怨みのある敵を引き下がらせよ。
②
遠ざける。
出典徒然草 一八
「奢(おご)りをしりぞけて財(たから)を持たず」
[訳] ぜいたくを遠ざけて財産を持たない。
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