学研全訳古語辞典 |
たう・ぶ 【賜ぶ・給ぶ】
活用{ば/び/ぶ/ぶ/べ/べ}
お与えになる。下さる。▽「与ふ」「授く」の尊敬語。
出典古今集 離別・詞書
「上(うへ)の男(をのこ)ども酒たうびけるついでに詠める」
[訳] 殿上人(てんじようびと)らが、天皇が酒を下さった折に詠んだ歌。
活用{ば/び/ぶ/ぶ/べ/べ}
〔動詞の連用形に付いて〕お…になる。▽尊敬の意を表す。
出典大和物語 一五六
「もていまして深き山に捨てたうびてよ」
[訳] (おばさんを)連れていらっしゃって、深い山にお捨てになってしまいなさい。
たう・ぶ 【食ぶ】
活用{べ/べ/ぶ/ぶる/ぶれ/べよ}
①
いただく。▽「飲む」「食ふ」の謙譲語。
出典古今集 離別・詞書
「大御酒(おほみき)などたうべて」
[訳] 天皇が召し上がるお酒などいただいて。
②
いただく。食べる。▽「飲む」「食ふ」を改まっていう丁寧語。
出典徒然草 二一五
「この酒をひとりたうべんがさうざうしければ」
[訳] この酒をひとりでいただくのが物足りないので。
注意
(1)謙譲語(①)と丁寧語(②)の二つがある。(2)四段活用の動詞・補助動詞「たうぶ(賜ぶ)」と混同しないように。
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