学研全訳古語辞典 |
なつくさ-の 【夏草の】
分類枕詞
①
夏草が日に照らされてしなえる意で「思ひしなゆ」にかかる。
出典万葉集 一三一
「なつくさの思ひしなえて偲(しの)ふらむ」
[訳] ⇒いはみのうみ…。
②
夏草が生えている野の意で「野」を含む地名「野島」や「野沢」にかかる。「なつくさの野島」。
③
夏草が深く茂るところから「繁(しげ)し」「深し」にかかる。
出典古今集 恋四
「なつくさの深くも人の思ほゆるかな」
[訳] 心に深くあの人のことが思われることだ。
④
夏草を刈るの意で「刈る」と同音を含む「仮(かり)」「仮初(かりそめ)」にかかる。
出典新古今集 秋下
「なつくさのかりそめにとて来(こ)し宿も」
[訳] ほんのしばらくの間住もうと思って来た宿も。
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