学研全訳古語辞典 |
ぬばたまの…
分類和歌
「ぬばたまの(=枕詞(まくらことば))夜(よ)の更け行けば久木(ひさき)生ふる清き川原に千鳥(ちどり)廔(しば)鳴く」
出典万葉集 九二五・山部赤人(やまべのあかひと)
[訳] 夜がしだいに更けてゆくと、久木の生えている清らかな川原で千鳥がしきりに鳴いている。
鑑賞
第二句を「夜の更けぬれば」と訓(よ)む説もある。「久木」はあかめがしわともいうが、未詳。
ぬばたま-の 【射干玉の・野干玉の】
分類枕詞
①
「ぬばたま」の実が黒いところから、「黒し」「黒髪」など黒いものにかかり、さらに、「黒」の連想から「髪」「夜(よ)・(よる)」などにかかる。
出典万葉集 九二五
「ぬばたまの夜(よ)の更け行けば」
[訳] ⇒ぬばたまの…。
②
「夜」の連想から「月」「夢」にかかる。
出典万葉集 三九八〇
「ぬばたまの夢(いめ)にはもとなあひ見れど」
[訳] 夢ではいたずらに(妻に)会うけれど。◆「うばたまの」「むばたまの」とも。
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