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いにしへの意味

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学研全訳古語辞典

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いにし-へ 【古へ・古】

名詞

遠い昔。▽経験したことのない遠い過去。


出典万葉集 二六六


「淡海(あふみ)の海夕波千鳥汝(な)が鳴けば心もしのにいにしへ思ほゆ」


[訳] ⇒あふみのうみ…。


以前。▽経験したことのある近い過去。


出典徒然草 一九


「なほ、梅のにほひにぞ、いにしへのこともたちかへり、恋しく思ひ出(い)でらるる」


[訳] やはり、梅の花の香りによって、以前のことも(当時に)さかのぼって、自然となつかしく思い出される。


昔の人。過去のこと。


出典夜の寝覚 四


「いにしへもかくやは物を思ひけむ」


[訳] 昔の人もこのように物思いをしたのだろうか。


参考

「いにしへ」と「むかし」の違い 「いにしへ」は遠い昔・以前(=近い過去)のように時間の経過を意識しているが、類義語の「むかし」は、漠然とした過去(=ずっと以前・かつて)を表している。








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