学研全訳古語辞典 |
うるさ・し
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①
めんどうだ。わずらわしい。
出典枕草子 里にまかでたるに
「あまりうるさくもあれば、このたび出でたる所をば、いづくとなべてには知らせず」
[訳] (人の口が)あまりわずらわしくもあるので、今度退出した所は、どこと一般の人には知らせない。
②
わざとらしくていやみだ。
出典徒然草 三五
「見苦しとて、人に書かするはうるさし」
[訳] (字が)下手だからといって、他人に書かせるのはわざとらしくていやみだ。
③
立派だ。すぐれている。
出典今昔物語集 二八・四二
「うるさき兵(つはもの)の妻(め)とこそ思ひつるに」
[訳] 立派な武士の妻だと思っていたのに。
④
ゆきとどいている。気配りがされている。細心だ。
出典大鏡 道長下
「いとうるさくて候(さぶら)ひし宿りにまかりて」
[訳] とてもゆきとどいておりました家にうかがって。
注意
現代語の「うるさい(=やかましい)」の意味に使うのはまれである。
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