学研全訳古語辞典 |
きん-だち 【公達・君達】
①
貴公子(たち)。ご子息(がた)。姫君(がた)。
出典今昔物語集 二八・一六
「きんだち寄り来たりて、己(おのれ)が装束をば皆召(め)しつ」
[訳] (あなた方のような)貴公子たちが寄ってきて、私の衣服を全部取り上げなさった。
出典堤中納言 このついで
「あるきんだちに、忍びて通ふ人やありけむ」
[訳] ある姫君に、ひそかに通う男がいたのだろうか。
②
あなた。あなたがた。▽代名詞的に用いて、高貴な家柄の青年にいう。
出典源氏物語 藤袴
「きんだちこそ、めざましくもおぼし召さめ」
[訳] あなた(=宰相の君)こそ、(私=柏木(かしわぎ)を)失礼な者ともお思いなさるだろうが。
参考
「きみたち」の撥(はつ)音便。高貴な家柄の子どもの意味。男女いずれにも用いる。単数・複数いずれにも用いる。
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