学研全訳古語辞典 |
べい
《接続》基本的には活用語の終止形・連体形に付くが、未然形・連用形に付くこともある。{○/○/べい/べい/○/○}
①
〔意志〕…う。…よう。
出典雑兵物語
「足軽衆によく教へべいと思ふ」
[訳] 足軽たちによく教えようと思う。
②
〔推量〕…だろう。
出典雑兵物語
「今日は川越しがあるべいぞ」
[訳] 今日は川越しがあるだろうよ。
③
〔当然〕…するはずだ。
出典浮世床 滑稽
「琉球芋(さつまいも)なら一本十六文づつもしべい」
[訳] さつまいもなら一本十六文ずつもするはずだ。
④
〔適当・勧誘〕…するがよい。…よう。
出典浮世風呂 滑稽
「明るい所(とこ)で勝負しべい」
[訳] 明るい所で勝負しよう。
語の歴史
室町時代以降の語。「べい」はロドリゲスの『日本文典』にも関東の言葉と説明されているが、江戸時代から現代に至るまで、関東周辺地域の会話語で使われる。
べい
推量の助動詞「べし」の連体形「べき」のイ音便。
出典平家物語 一一・勝浦付大坂越
「あの勢(せい)の中にしかるべい者やある」
[訳] あの敵勢の中に適しているにちがいない者がいるか。
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