学研全訳古語辞典 |
なに-と-し-て 【何として】
分類連語
①
どうやって。どのようにして。なぜ。▽理由などについての疑問の意を表す。
出典徒然草 二四三
「人はなにとして仏には成り候ふやらん」
[訳] 人はどうやって仏にはなるのでしょうか。
②
どうして…か、いや、…ない。▽反語の意を表す。
出典鬼の継子 狂言
「身共がためにも継子(ままこ)ぢゃものを、なにとして食ふものぢゃ」
[訳] 自分にとっても継子であるのを、どうして食べるものか、いや、食べはしない。
なりたち
代名詞「なに」+格助詞「と」+サ変動詞「す」の連用形+接続助詞「て」
なんと-して 【何として】
①
どうして。なぜ。▽疑問の意を表す。
出典好色一代男 浮世・西鶴
「方様(かたさま)はなんとしてここに御(ご)ざります」
[訳] あなた様はどうしてここにいらっしゃるのですか。
②
どうして(…か、いや、…ない)。▽反語表現に用いる。
出典武悪 狂言
「討たうとは思うたれど、なんとして身が討たうぞ」
[訳] (お前を)討とうとは思ったが、どうして私が討てようか、いや、討てはしない。
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