学研全訳古語辞典 |
くは・す 【食はす】
活用{せ/せ/す/する/すれ/せよ}
①
食べさせる。
出典源氏物語 手習
「水飯などやうのものくはせ」
[訳] 水に浸した飯などのようなものを食べさせ。
②
くわえさせる。
出典拾遺集 雑賀・詞書
「御巻数(ごくわんず)鶴(つる)にくはせて」
[訳] ご巻数(=読んだ経文の巻数などを記した文書)を鶴にくわえさせて。
③
(弓に矢を)つがえる。
出典平家物語 一一・遠矢
「十五束(そく)ありけるをうちくはせ」
[訳] (矢の長さが)十五束あったのを(弓に)つがえ。
④
〔「目をくはす」の形で〕目くばせをする。
出典源氏物語 若菜上
「目くはすれど、聞きも入れず」
[訳] 目くばせしたけれども、聞き入れもしないで。
⑤
(言葉や動作を)受けさせる。くらわせる。
出典馬口労 狂言
「腰なる鞭(ぶち)を抜いて、したたかにくはする」
[訳] 腰のむちを抜いて、力いっぱいくらわせる。
⑥
だます。あざむく。
出典今参 狂言
「南無三宝。くはせおった」
[訳] しまった。だましおった。
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