学研全訳古語辞典 |
さる-こと 【然る事】
分類連語
①
そのようなこと。そういうこと。
出典竹取物語 貴公子たちの求婚
「いかでかさることなくてはおはせむ」
[訳] どうしてそのようなこと(=結婚)をせずにいらっしゃってよいでしょうか。
②
その通りのこと。もっともなこと。
出典徒然草 一
「げにさることぞかし」
[訳] なるほどもっともなことだ。
③
言うまでもないこと。もちろんのこと。
出典平家物語 三・足摺
「我等が召しかへさるるうれしさは、さることなれども」
[訳] 我々が呼び戻されるうれしさは、もちろんのことであるが。
④
たいしたこと。
出典宇治拾遺 九・五
「さることはなけれど、高く大きに盛りたる物ども持て来つつ据(す)ゆめり」
[訳] (田舎であるから)たいしたことはないが、高く大きく盛った品々を持って来ては据えてゆくようである。
なりたち
連体詞「さる」+名詞「こと」
さることのページへのリンク |