学研全訳古語辞典 |
しかし-ながら 【然しながら】
①
そのままそっくり。ことごとく。
出典平家物語 七・忠度都落
「京都の騒ぎ、国々の乱れしかしながら当家の身の上のことに候ふあひだ」
[訳] 京都の騒ぎ、国々の乱れはことごとく当家(=平家)の境遇のことでありますので。
②
要するに。つまり。結局。
出典宇治拾遺 一一・一〇
「人のために恨みを残すは、しかしながら、わが身のためにてこそありけれ」
[訳] 人のために恨みを残すのは、結局自分自身のため(=自分自身に返ってくるもの)であった。
そうではあるが。しかし。◆中世末期以降の用法。
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