学研全訳古語辞典 |
みる-め 【海松布】
「みる(海松)」に同じ。▽「め」は、食用とする海藻の意。
出典伊勢物語 七〇
「みるめ刈るかたやいづこぞ棹(さを)さして我に教へよ海人(あま)の釣り舟」
[訳] 海松布を刈る場所(=あの人と会える場所)はどちらか、棹でさし示して私に教えよ、海人の釣り舟よ。
参考
和歌では、「見る目③」にかけて用いることが多い。
みる-め 【見る目】
①
(他人の)見ている目。人目。はた目。
②
見たようす。見た目。外見。
出典源氏物語 若菜上
「みるめは人よりけに若くをかしげにて」
[訳] 見た目は人より格別に若々しく美しくて。
③
(男女が)会うこと。会う機会。
出典古今集 恋二
「しきたへの(=枕詞(まくらことば))枕の下に海はあれど人をみるめは生(お)ひずぞありける」
[訳] (あまり泣いたので)枕の下に涙の海ができてしまった。しかし海松布(みるめ)が生えていないので、あの人と会う機会はなさそうだ。
参考
③は和歌では、「海松布(みるめ)」とかけて用いることが多い。
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