学研全訳古語辞典 |
おほ-かた 【大方】
①
全体。大体。一帯。
出典土佐日記 二・一六
「おほかたのみな荒れにたれば、『あはれ』とぞ人々言ふ」
[訳] (あたり)全体がすっかり荒れてしまっているので、「ああ(ひどい)」と人々は言う。
②
普通。世間一般。
出典源氏物語 桐壺
「おほかたのやむごとなき御思ひにて」
[訳] (一の御子は皇太子としての)普通の大切になさるという程度のご寵愛(ちようあい)で。
①
大体。大ざっぱに言って。
出典徒然草 二三一
「おほかた、振る舞ひて興あるよりも、興無くて安らかなるが、まさりたることなり」
[訳] 大体、わざとらしく趣向をこらして面白いことよりも、面白くないが穏当なほうが、すぐれているのだ。
②
〔下に打消の語を伴って〕まったく。一向に。
出典徒然草 五一
「おほかた回(めぐ)らざりければ、とかく直しけれども」
[訳] (水車は)まったく回らなかったので、いろいろと直したが。
そもそも。総じて。▽話題を改めたりするときに用いる。
出典方丈記
「おほかた、この所に住み始めし時は」
[訳] そもそも、この場所に住み始めたときは。
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