学研全訳古語辞典 |
さて-は 【然ては】
その状態のままでは。それでは。
出典竹取物語 燕の子安貝
「悪(あ)しくたばかりて取らせ給(たま)ふなり。さてはえ取らせ給はじ」
[訳] まずくくふうして取らせていらっしゃる。その状態のままでは取らせることはおできになるまい。
①
そしてそのほかには。そしてまた。さらには。
出典源氏物語 若紫
「清げなる大人二人ばかり、さては童(わらは)べぞ出(い)で入(い)り遊ぶ」
[訳] さっぱりした感じの年輩の女房が二人ほど、そしてそのほかには子供たちが出入りして遊んでいる。
②
それでは。それなら。
出典徒然草 一四二
「さては、もののあはれは知り給はじ」
[訳] それでは、しみじみとした人情味はおわかりにならないだろう。
参考
副詞「さて」に係助詞「は」が付いて一語化したもの。
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