古語:

なごりの意味

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学研全訳古語辞典

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なごり 【余波】

名詞

打ち寄せた波が引いたあと、なぎさのあちこちに残る海水・魚・海藻など。


出典万葉集 五三三


「難波潟(なにはがた)潮干のなごり」


[訳] 難波潟の潮が引いたそのあとの干潟のようす。


風が静まったあとも、しばらく波が静まらないこと。余波(よは)。


参考

「名残(なごり)」のもとになった語で、和歌では「名残」とかけて用いることが多い。



なごり 【名残】

名詞

余韻。影響。なごり。▽物事が終わってもあとに残っている気分・気配・影響。


出典万葉集 二五八八


「夕されば君来(き)まさむと待ちし夜のなごりそ今も寝(い)ねかてにする」


[訳] 夕方になると、あなたがお見えになるだろうと待った夜の影響なのです。今も寝つかれないのは。


心残り。なごり。▽人と別れたあとに残っている別れを惜しむ思い。


出典徒然草 一九


「暁(あかつき)方より、さすがに音なくなりぬるこそ、年のなごりも心細けれ」


[訳] 明け方からは、なんといってもやはり物音もなく(静かに)なってしまうのは、ゆく年の心残りが(感じられて)心細い。


(心残りな)最後の別れ。


出典徒然草 五三


「童(わらは)の法師にならんとするなごりとて」


[訳] 稚児(ちご)が法師になろうとする最後の別れということで。


遺児。忘れ形見。遺産。


出典源氏物語 玉鬘


「げに深くおぼしける人のなごりなめり」


[訳] 本当に深くお思いになっていた人(=夕顔)の忘れ形見であるようだ。


(連歌(れんが)・俳諧(はいかい)で、連句を書き記す)懐紙の最後の一枚。「名残の折」ともいい、表と裏を用い、それぞれを「名残の表」「名残の裏」という。


出典去来抄 修行


「初折(しよをり)の裏よりなごりの表半ばまでに」


[訳] 懐紙の最初の一枚目の裏から最後の一枚の表の半分くらいまでの間に。








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