学研全訳古語辞典 |
かり-そめ・なり 【仮初なり】
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
①
仮づくりだ。一時的だ。
出典更級日記 富士川
「山づらにかりそめなる切り掛けといふ物したる上(かみ)より」
[訳] 山側に仮づくりの切り掛けという板垣で囲ってある上から(仏像が見える)。
②
はかない。
出典源氏物語 橋姫
「この世の、かりそめにあぢきなきことを、申し知らすれば」
[訳] この世の中が、はかなく無常であることを、わかるようにお話しすると。
③
ふいだ。偶然だ。
出典奥の細道 草加
「奥羽長途(ちやうど)の行脚(あんぎや)、ただかりそめに思ひ立ちて」
[訳] 奥羽地方への長旅を、ただふいに思い立って。
④
いいかげんだ。軽はずみだ。
出典瓜盗人 狂言
「ああ、かりそめな事をいたさう事ではござらぬ」
[訳] ああ、いいかげんなことをいたすものではありません。
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