学研全訳古語辞典 |
はや・す 【囃す】
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
①
囃子(はやし)を奏する。
出典宇津保物語 楼上・下
「よろづの楽(がく)、笛の音(ね)をはやし」
[訳] さまざまな音楽、笛の音を演奏し。
②
声を出して拍子を取る。調子を引き立てる。はやし立てる。
出典平家物語 一・殿上闇討
「人々拍子を変へて『…』とぞはやされける」
[訳] 人々は歌の拍子を変えて、「…」とはやし立てられた。
③
盛んに言う。言いはやす。
出典徒然草 一八〇
「『法(ほふ)成就(じやうじゆ)の池にこそ』とはやすは」
[訳] 「法成就の池にこそ」と盛んに言うのは。
はや・す 【栄やす・映やす】
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
①
引き立てる。際立たせる。
出典源氏物語 初音
「何事も、さしいらへし給(たま)ふ御光にはやされて」
[訳] 何事も、(源氏が)受け答えなさるおかげで(つまらないことも)引き立てられて。
②
ほめそやす。賞美する。
出典万葉集 三八八五
「わが身一つに七重(ななへ)花咲く八重(やへ)花咲くと申(まを)しはやさね申しはやさね」
[訳] わたしの身一つに七重八重に花が咲くと申し上げほめそやしてください。申し上げほめそやしてください。
はやすのページへのリンク |