学研全訳古語辞典 |
あまた 【数多】
①
数多く。たくさん。
出典源氏物語 桐壺
「いづれの御時(おほんとき)にか、女御(にようご)・更衣(かうい)あまたさぶらひ給(たま)ひける中に」
[訳] どの帝(みかど)の御代(みよ)であったろうか、女御や更衣がたくさんお仕えしておられたなかに。
②
非常に。はなはだ。
出典万葉集 三一八四
「草枕(くさまくら)(=枕詞(まくらことば))旅行く君を人目多み袖(そで)振らずしてあまた悔しも」
[訳] 旅に出るあなたを、見送る人の目が多いので、袖を振らずに別れて非常に後悔されることだ。
参考
上代には、①②両方の意味に使われていたが、中古以降は、①の意味だけになった。
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