学研全訳古語辞典 |
そぞろ・なり 【漫ろなり】
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
①
何ということがない。何とはなしである。
出典今昔物語集 二八・四二
「障子のそぞろに倒れかかるなりけり」
[訳] 障子が何ということもなく倒れかかるのであった。
②
無関係だ。筋違いだ。▽いわれや根拠がないさま。
出典蜻蛉日記 中
「この君の、かくそぞろなる精進(しやうじ)をしておはするよ」
[訳] この(道綱の)君が、このように無関係な精進(しようじん)をしていらっしゃるよ。
③
むやみだ。わけもない。
出典徒然草 七三
「その道知らぬは、そぞろに神のごとくに言へども」
[訳] その専門の分野を知らない人は、むやみに神様のように尊んで言うけれども。◆「すずろなり」とも。
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